Without Running Away

ポエムノート

11.9 【映画】SEVEN

 

 

思い立って7年前、FC2ブログをしていたときのアーカイブを見ていた。

こんなものを見つけたあとにブログを書くのには少し抵抗がある。

でもSE7ENを見た衝撃は140字をいくつかじゃまとめられない。この言葉にするのが難しい不快感がなんなのか、少しでも形にしたいのである程度まとまった文章を書く。

 

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▼あらすじ

雨降りしきる大都会。 また新たな殺人事件が発生し、退職まであと1週間のベテランサマセットと血気盛んな新人ミルズの両刑事が現場に急行した。 被害者は極限まで肥満した大男で、汚物にまみれ、食べ物の中に顔を埋めた恰好で死んでいた。 死因は食物の大量摂取による内蔵破裂。男の後頭部に付けられた銃口の痕から、何者かに、死ぬまで食べ続けるよう強制させられていたことが判明した。そして現場には、犯人が残したものと思われる〈GLUTTONY=大食〉と書かれた文字が残されていた。 まもなく次の死体が発見される。凄腕で名高い弁護士グールドが、高級オフィスビルの一室で、血まみれになって殺されていた。そして現場には血で書かれた〈GREED=強欲〉の文字が……。サマセットは、犯人がキリスト教における「七つの大罪=憤怒・嫉妬・高慢・肉欲・怠惰・強欲・大食」に基づいて殺人を続けていることを確信、ミルズにあと5人殺されるだろうと告げる。
映画『セブン』紹介、世紀の超バッドエンド映画!しかしこの後味の悪さは癖になる![ネタバレなし] - Cinema A La Carte

 

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

とにかく最初から最後まで通してぬるっとした雰囲気、無気力感が漂い続けている。

拭い去ることができない重さみたいなものは、激しいアクションシーンやミルズ夫婦の微笑ましい談笑の間も。

序盤サマセットが退職する流れや雨の中コーヒーを持っていくミルズ、地下鉄の振動は夫妻を苛つかせるし、嫌いな街での妊娠をトレイシーは心から喜ぶことができない。

そうして誰も報われないず、誰も幸せになれないまま映画は幕を下ろす。

この世界観が計算されつくされた表現なんだと思うと監督のデビット・フィンチャーと脚本のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーを同じ人間だと思えないような気もする。100年くらい映画撮ることができてもあのステージにはいけないんじゃないか?って感じ。

他の映画では類を見ない壮絶な無常がSEVENにはあった。矛盾する表現だけど、そうとしか言えない。

 

内容は結構スプラッターな作りだったけど、グロテスクさや怖さはさほど感じなかった。

映画公開から20年経っている現在、社会全体が猟奇をカジュアルに物語として消費することになれてしまっているからか、中の上くらいのエグみを感じていた。

SAWとかクトゥルフとか、そういうので自分のグロ耐性が育っているからかもしれない。まあ主題ではないし重要ではない。

七つの大罪というテーマも創作界隈で消費され尽くしているような気がしたため目新しさは感じなかった。

でもやっぱり公開されたのは95年。当時の衝撃は凄まじかったんだろうなあと想像するのは難くない。

 

 

でもそのグロさも、SEVENの世界観を作る色と画のパーツとしては最高だった。

SEVENは色と画がとてもいい。グリーン濃いめな画に接写が頻繁。全体的にノイジーなのはリマスター版だから意図されたものなのかどうかぜんぜんわかんないけど、それもマッチしていて素晴らしい。

映画は音が最も雰囲気を左右するという持論があったが、この監督ならサイレントだったとしても応じた手法で同質の雰囲気を再現するだろうなあと感じる画はなかなか類を見ない。

ちょっと脱線するけど映画の緑目のカラーコレクションって何に端を発するんだろうね?それともフィルムがもともとそういう感じだったのかな?

製作史は追うってみたら楽しいかもしれないなあと思う。勉強してみたいな。

 

上記までは作品に対する感想で、以下は見て自分が感じたこと。

作中、ケヴィン・スペイシー扮するジョンドゥは車の中で「普通の人間が罪人だ」と語る。あからさまな罪に対して些事だから目を背け放置していると。映画中最も引っかかったセリフだ。

僕は自分の身近な問題ですら、解決に手間がかかるものはどんどん目を背けている。具体例を出すまでもなく無限にある問題を。

自分のキャパシティには限界があり、その枠から超えることはできないし考えるだけ無駄なので無関心になっていく。

歳を重ねるごとにぶつかる出来事は多くなり、取捨選択も捨てる部分が多くなる。捨てるハードルは低くなっていく。もうそうなってくると自分が何をやりたかったのかはわからない。

アフリカの子どもたちはかわいそうだし、僕はおいしいごはんを食べてかわいい女の子と寝たい。トランプが大統領になったらなんだか大変そうだし、明日は二限から講義だ。

物事が多すぎてどんどん曖昧になっていくのを実感して日々を過ごしている。

そういった人間の普通さみたいなものが罪だとは全く思わないが、頭が良すぎる人から見たら不自然だし是正したくなるのもわかるっちゃわかる。それで殺されてたまるかっていう話なんだけど。

でもこの不快感から脱するために何かしたくなるというところまでは共感できてしまった。

 

 

以上2200字ちょい。やっぱり140字じゃ全然足らなかった。

勧めてくれた女の子の人格を疑うという点でもモヤモヤした視聴後だったが、それでもまごうことなく名作だ。

不快指数的には映画「ミスト」と同じくらい。見たことある人は指標にしてみてね。

AmazonPrimeビデオで無料で見れるからぜひぜひ見てみてくださいな。

それではおやすみなさい。